はじめに
どーも。たーくんです!
今回は「アノマリー完全ガイド」というテーマで解説して行きますね!
こんにちは、たーくんです!
今回は「アノマリー」についてお話しします。
アノマリーって何?って思う方もいるかもしれませんが、簡単に言うと「市場の決まったパターン」のことです。
占いみたいに聞こえるかもしれませんが、実はかなり合理的で当たります!
たとえば、朝の通勤ラッシュで電車が混むのは、みんなが同じ時間に出社するからですよね?
それと同じで、マーケットも人々の行動パターンが影響します。
具体的に言うと、夏休みの時期(6月から9月初旬)には旅行やレジャーでお金を使う人が増えます。
冬になると、年末のセールやボーナスで買い物をする人が増えます。
こうしたパターンがあるからこそ、小売店は年末に向けてたくさん商品を仕入れるんです。
同じように、株式市場にも規則性があります。
たとえば、アメリカの株式市場は5月から10月にかけて低迷しやすく、11月から4月にかけて上がりやすい傾向があります。
経験豊富な投資家は、このパターンを知っているので、秋に株が下がるときに買いを入れることが多いんです。
アノマリーは普遍的なものなので、一度学んでおくと『一生使える知識』になります!
それでは、解説していきますね!
アノマリーの一覧
以下は『1950年から2023年のS&P500の月別統計データ』になります。
4月や11月、12月は株価リターンが好調であることが分かりますね!
逆に9月は圧倒的に株価リターンが不調であることが分かります。
1950~2023年のS&P500の月別リターンをグラフにするとこんな感じ〜!
1950~2023年のS&P500の上昇確率をグラフにするとこんな感じ〜!
株式投資をする上で上記、3枚の画像は必ず、意識しながら投資しましょう!
では、それぞれの月のアノマリーを詳しくみていきましょう!
1月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
1月 | 0.91% | 59.5% | 44 | 30 |
①1月効果
「1月効果」とは、1月の株式市場のリターンが他の月と比べて高くなりやすい現象のことです!
アノマリーの信頼性
実際、1月の月間騰落率が12カ月の平均+0.6%を上回った確率は59.5%でした。
そのため、毎年1月は半分以上の確率で平均以上の上昇率が期待できるのです
1月効果が起こる理由
1月効果が起こる理由には、いくつかの要因があります。
タックスロスセリング(損だし)による株価下落からの反発や年末ボーナスによる資金流入などが考えられます。
①タックスロスセリング(損だし)
・期間:毎年11月下旬~12月中旬頃
・目的:節税
タックスロスセリング(損だし)とは含み損を抱えた株を売却し、実現損を出すことで、今年の実現益と相殺し、税金の支払い額を少なくする。
米国では、12月31日までの収入に関する税金を翌年4月中旬頃の確定申告で納税しなければならないため、年末にかけて節税目的の「売り」が集中する傾向があります
②年末のボーナスとポートフォリオの見直し
・期間:12月下旬~翌年1月中旬頃
・要因:年末のボーナスに伴う資金の流入やポートフォリオの見直し
これらの要因により、株式が再び買い戻される傾向があります
②1月の最初の5日間
「1月最初の5日間」とは、1月の最初の5日間にS&P500が上昇した場合、その年全体でも上昇する可能性が高いというアノマリー(市場の経験則)のことです
アノマリーの信頼性
実際、1950年以降の73年間で、最初の5日間にS&P500が上昇した48回のうち39回は、その年全体でも上昇しています。
このデータから、83%の確率でこのアノマリーが当たることがわかっています。
③1月バロメーター
「1月バロメーター」とは、「1月相場がその年の相場を占う」という相場の格言に基づいた経験則です。
具体的には、1月のS&P500の月間騰落率が上昇すると、その年全体でも上昇する傾向があるというものです。
アノマリーの信頼性
1950年以降の73年間を振り返ると、1月のS&P500が上昇したのは43回あり、そのうち38回は年間でも上昇しています。
これは88%の確率でこのアノマリーが当たることを示しています
まとめると以下の通りです。
2月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
2月 | -0.17% | 55.4% | 41 | 33 |
2月の相場特性
2月の月間騰落率は平均で-0.17%となり、9月に次いで、パフォーマンスが悪い月として知られています。
理由①:第4四半期の決算シーズン
第4四半期(10~12月期)の決算シーズンが2月から本格化することが主要な要因です。
多くの米国企業が12月末を決算月としており、2月にはその決算が発表されます。
企業は通期のガイダンス(業績見通し)を達成しやすくするため、敢えて低めの見通しを発表することがあります。
市場予想を下回るガイダンスが発表されると、投資家は失望し、株価が下がりやすくなります。
理由②:利食い売りの影響
米国株は11月~1月にかけて「最高の3か月」を迎える傾向があります。
この間に株価が上昇するため、2月には利益確定売りが発生しやすいです。
これが相場の下落圧力となり、2月のパフォーマンスが低迷する要因となります。
3月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
3月 | 0.96% | 63.5% | 47 | 27 |
3月の相場特性
3月は歴史的に『相場の大転換』が起こりやすい月として知られています。
以下のそれぞれの事例を示しますね。
歴史的な大転換の事例
2020年:コロナ危機で相場が大きく下落しましたが、3月に底打ちし、その後の回復が始まりました。
2008年金融危機:2009年3月に底打ちし、相場が回復基調に転じました。
2000年ドットコムバブル:3月に天井を付け、その後の2003年3月に二番底を付けて底打ちしました。
また決算の悪材料出尽くしによって、株価は反転しやすいです。
理由:決算シーズンの影響
第4四半期の決算シーズンが終盤戦を迎えることで、相場の風向きが変わりやすくなります。
市場予想を下回るガイダンスが発表されると、投資家は失望し、株価が下がりやすくなります。
決算シーズンが終盤に差し掛かると、その悪材料が出尽くしたことで市場が安心し、株価反発することがあります。
特に、前述の歴史的な底打ち事例では、たくさんの悪材料が出尽くし、相場が大きく反発するケースが見られます。
4月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
4月 | 1.45% | 70.3% | 52 | 22 |
4月の相場特性
4月は1年のうち2番目に強い月であり、過去73年間の月間平均騰落率は+1.45%、上昇した確率は70.3%です。
このため、4月に株を持っていないというのは、確率的に不利と言えます。
投資戦略
ちなみに、以下のような投資データがあります。
①11月1日にダウ平均を買い、4月30日に売るトレード
1950年~2021年までの72年間、この戦略を繰り返すと、当初の1万ドルが114万2837ドルになり、114倍に増加。
②5月1日に買い、10月30日に売るトレード
同じ期間、この戦略を繰り返すと、当初の1万ドルが1万3422ドルにしか増えず、34%の増加に留まりました。
これらの統計データから株式の①買い時②売り時を以下にまとめました!
これを覚えておくとかなり便利だよ!
「Sell in May(5月に売れ)」の格言
この格言は、株式市場の歴史を振り返ると、5月から10月にかけて多くの大きな下落が集中しているためです。
そのため、ウォール街では「Sell in May(5月に売れ)」が広く知られています。
「Sell in May」の続き
「Sell in May… and go away! Don’t come back until St Leger day(5月に売ってどこかへ行け!そしてセントレジャー・デーまで帰って来るな)」という言葉の続きがあります。
セントレジャー・デーは英国競馬のクラシック3冠目「英セントレジャー・ステークス」の開催日で、毎年9月中旬に開催されています。
つまり投資家は10月末〜4月末にかけては強気、5月〜10月中旬にかけては慎重になった方がいいと思います。
5月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
5月 | 0.17% | 60.8% | 45 | 29 |
5月からの「最悪の6か月」
5月になると、これまでの「最高の6か月(11月~4月末)」が終わり、「最悪の6か月」が始まります。
これは、特に米国の投資市場において、夏休みが6月から9月までの3か月間にわたることが大きな要因です。
夏休みと株式市場
夏休み期間中、機関投資家たちは家族とバカンスに出掛けるため、長期休暇に備えて株を手仕舞いする傾向があります。
このため、5月からの期間では以下のような現象が見られます。
①機関投資家の株売り
長期休暇に入る前に、リスクを避けるために株を売却することが多いです。
②市場の流動性が低下
市場の流動性が低下し、株価が不安定になる可能性があります。
6月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
6月 | 0.04% | 52.7% | 39 | 35 |
6月の相場特性
6月の株式市場は、5月よりもさらに悪い傾向があります。
月間平均騰落率はわずか+0.04%で、上昇する確率は52.7%に留まります。
この低調なパフォーマンスにはいくつかの理由があります。
機関投資家の長期休暇
6月になると、多くの機関投資家が長期休暇に入ります。
このため、5月同様に以下のような現象が見られます。
①積極的な買いが減少
機関投資家が休暇に入るため、大口の買い手が市場から減少します。
②出来高の減少
投資家の活動が減るため、取引量が細り、出来高が低迷します。
③市場の低迷
買い手が少なくなるため、株価の上昇が期待できず、市場全体が低迷する傾向があります。
7月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
7月 | 1.14% | 59.5% | 44 | 30 |
7月の相場特性
7月は、「サマーラリー」と呼ばれる株高が期待できる月です。
実際、7月の月間平均騰落率は+1.14%で、1年のうち4番目に良い成績を記録しています。
ただし、毎年、夏から秋にかけて調整局面を迎える傾向があるので、サマーラリーで強気の姿勢に転じるべきではありません。
7月はサマーラリーがありますが、8~9月で大きく株価が下落する傾向があるので、積極的な買いは控えるべきです!
サマーラリーの要因
①5月と6月の反動
5月と6月は株価が低迷することが多いため、その反動として7月には株高が期待されます。
②低出来高の影響
7月は市場の出来高が少ないため、少しの好材料でも株価が大きく動くことがあります。
8月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
8月 | -0.20% | 54.1% | 40 | 34 |
8月の相場特性
8月は「夏枯れ相場」と呼ばれ、株価が低迷しやすい月です。
過去のデータから見ても、月間平均騰落率は-0.2%とほとんど上昇が見込めません。
また、8月に続く9月は一年で最も悪い月であるため、8月から積極的に株を買い向かうのは初心者だけと言われることがあります。
過去の事例
2023年: 7月から10月にかけて最大11%下げました。
2022年: 8月から10月にかけて最大19%下げました。
これらの事例からも、8月相場が不安定であり積極的に買わない局面であると分かります。
9月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
9月 | -0.87% | 43.2% | 32 | 42 |
9月の相場特性
9月は一年の中で最も悪い月とされ、月間平均騰落率は-0.87%、上昇確率は43%と低迷しています。
これは、他の月と比べて唯一50%を下回る上昇確率です。
9月は一年で最もパフォーマンスの悪い月で有名です。
また株価が上昇する確率も一番低いです。
下落理由は需給の悪化
9月になると、IPO(新規株式公開)や公募増資など多くのディールが一斉に動き始め、需給が崩れやすくなります。
たとえば、2023年にはソフトバンク・グループ傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングス(ARM)がナスダックに上場しました。
これにより、機関投資家はアームに投資するために他の半導体株を一部売却せざるを得ず、エヌビディアの株価が8月の高値から一時22%急落する場面もありました。
そのため、9月は投資マネーが分散される傾向があるので株価は下がりやすくなります。
しかし、 9月の下落による弱気から反転して、10月末ごろには強気になりやすいです。
10月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
10月 | 0.75% | 60.8% | 45 | 29 |
10月の相場特性
10月は「10月の恐怖症」とも言われ、歴史的な暴落が何度も起こっている月です。
しかし、同時に相場の転換点ともなりやすい月でもあります。
経験を積んだ投資家はこの時期をチャンスと捉え、株安局面で積極的に投資を行います。
10月の大きな下落こそが1年で最もリスクの低い買い場です!!!
歴史的な暴落
ウォール街には「10月の恐怖症」という言葉があり、1929年の世界恐慌、1987年のブラックマンデー、2008年の金融危機など、歴史的な暴落が10月に集中しています。
このため、投資家は毎年この季節になると過去の嫌な記憶を思い出し、不安が高まります。
行動経済学と10月
行動経済学には「予言の自己成就」という概念があります。
「株式市場が暴落する」と信じている人が多ければ多いほど、その予言通りになる傾向があります。
10月はその典型的な例です。
10月の転換点
10月は暴落も多いですが、「ベアキラー(弱気の撤退)」とも呼ばれ、相場が転換する月でもあります。
ブラックマンデー(1987年)、湾岸戦争(1990年)、LTCM危機(1998年)などは10月に底打ちしました。
ドットコムバブル崩壊(2000年)、9.11テロ(2001年)後の弱気相場も2002年10月に底打ちしました。
米国債ショック(2011年)、弱気相場(2022年)も10月に底打ちしました。
10月は暴落が多いものの、相場の転換点になることも多い!
投資戦略
10月は相場の転換点となりやすいため、経験を積んだ投資家はこの時期に積極的に株を買い増すことが多いです。
①相場の転換に注目
過去のデータを参考にし、10月の相場の底を見極めることが重要です。
②買い増しのタイミング
秋の調整局面や10月の恐怖症で市場参加者が弱気になっている時に、株を積極的に買い増す戦略が有効です。
10月相場が下落すればするほど、投資するリスクが下がると思って買い続けましょう!
これから最高の好機が始まる
10月の株安は投資家にとって絶好のチャンスです。
なぜなら、11月から1月にかけて最高の3ヶ月(4月までなら最高の6カ月)が始まるからです。
11月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
11月 | 1.63% | 67.6% | 50 | 24 |
11月の相場特性
11月は一年のうち最も高いパフォーマンスが期待できる月であり、上昇する確率も非常に高いです。
強い理由
11月相場が強い理由は、夏から秋にかけての調整局面が終わり、その反動が起こりやすいからです。
特に、11月から4月までの期間(2月を除く)の5ヶ月間は、月間平均騰落率がそれぞれ1%前後であり、この期間に株を持っていないことは確率的に不利です。
今まで下落した分、上昇すれば大きく上昇することが期待できます!
12月アノマリー
平均リターン | 上昇確率 | 上昇回数 | 下落回数 | |
12月 | 1.36% | 74.3% | 55 | 19 |
12月の相場特性
12月は「サンタクロース・ラリー」がやって来る関係で、上昇する確率が高く、投資家にとって非常に魅力的な月です。
上昇する確率は74%と、一年で最も高いよ!
サンタクロース・ラリーとは?
サンタクロース・ラリーは、その年の最後の5日間と新年の2日間の計7日間に起こる、短期的な上昇相場のことです。
12月相場が強い理由
①タックスロス・セリング(損だし)
12月の前半は節税目的で損出しが発生するため、相場が崩れやすいです。
しかし、後半になるとその売り圧力が解消され、買い戻しが起こることで相場が盛り返します。
②ボーナスシーズン
12月はボーナスの時期です。
クリスマスが終わった後、残ったお金で株を買い向かう投資家が増えるため、株価が上昇しやすくなります。
そして1月相場へと続きます。
さいごに
アノマリーは、株式市場で見られる「市場の決まったパターン」のことです。
これらのパターンを知っておくと、投資をする上で少しだけ有利になるかもしれません。
しかし、大切なのはアノマリーだけに全て依存するのではなく、基本的な投資の知識と戦略をしっかりと勉強して身につけることです。
株式投資はリスクもありますが、しっかりと勉強し、学んで経験を積むことで、リスクを最大限に低くすることができます。
アノマリーを学ぶことはその第一歩です。
これからも投資の勉強を続け、少しずつ自分のペースで進めていきましょう。
皆さんの投資が成功することを願っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これからも一緒に投資について学んでいきましょう!
【永久保存版】月別アノマリー 完全ガイド でした。ちゃんちゃん。( ・ω・ฅ*)バイバイ♪